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法律

賃貸借契約前のキャンセルで損害賠償を請求される?!

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契約当日や前日での突然のキャンセル。多くあるケースではありませんが、ドタキャンをされてしまうと貸主や仲介業者はとても、とても、、困ってしまいます。

しかし、いくらドタキャンをされたとはいえ、契約を締結しているわけではありませんので当然損害賠償等の対象になることはありません。

これがもし賃貸借契約締結後であれば、そのキャンセルを正当とみなせるだけの特段の事情がなければ契約違反・債務不履行となり、民法415条の規定に基づき損害賠償を請求することができます。

が、実は状況により契約締結前でも損害賠償の対象になるケースがありますので、以下でご紹介いたします。

信義則上の義務違反で損害賠償の対象に

賃貸借契約の成立前でも、一定のケースで「契約締結上の過失」として、キャンセルをした当事者が相手方に対して信義則上の損害賠償責任を負った判例があります。

東京高裁 平成20年1月31日判決

これは申し込みをしてから約5か月の間、当事者間で契約条件等についての交渉がされたが、結局入居予定者がなんら正当性もなくキャンセルをし、契約締結ができなかった事例です。


賃借人は入居予定者の要望に基づき、一定の対応をしたことにより賃貸借契約締結に当たっての重要な課題がクリアされていたこと。また、交渉期間が通常の2ヵ月ないし4ヵ月ではなく、5ヵ月余に及んでいること、かつ賃借目的部分を賃借人募集対象からはずしており、入居予定者がそのことを承知していたこと。

などの事実関係を考えると、賃借人が契約成立に至ると期待することは相当の理由があるとし、入居予定者はその期待を理由なく侵害することがないように行動する義務があるにもかかわらず、それを怠ったことから契約準備段階における信義則上の注意義務違反により、損害賠償責任が生じることになった、ということです。

まとめ

ほとんどの例で、賃貸借契約の締結前にキャンセルしたことによる損害賠償の責任は発生しませんが、状況如何では契約上の義務違反ではなく、信義則上の過失として損害賠償の対象となるケースがでてきます。

キャンセルをすることは悪いことではないですし、当事者それぞれが持つ当然の権利ですので、契約締結に懸念があれば契約直前であろうとその権利を行使することができます。

ただし、交渉ごとが一定以上進んでいるなどの状況でのキャンセルはリスクがありますので、実際にキャンセルする前によく考えてから判断した方が良いでしょう。

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